アラウンドバースボディケア・スクール

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腹圧性失禁とは 〜 産後の花粉症は尿漏れに注意!

月初に来院された40代のママさん。
花粉症をお持ちで、この時期になるとくしゃみ、鼻水、目のかゆみが止まらないそうです。
特に年末に出産して、初めて迎えた産後の花粉症シーズン。
くしゃみをするたびにジワッ、ジワッと尿漏れが起きてしまうそうで、なんとかならないかとのことで当院へいらっしゃいました。

先日の記事でも触れた産後のママさんの尿漏れですが、
参考記事:ママになっても走りたい!ランニング中の尿漏れを撃退せよ!
そもそも、なぜ産後は尿漏れが起こりやすくなるのでしょうか?
そのあたりも踏まえて簡単に説明していきたいと思います。

尿漏れ、正式には尿失禁と言いますが、大きく分けると4種類あります。

  1. 腹圧性尿失禁……くしゃみ、咳、物を持ち上げた時など、お腹に力が入った時に起こる尿漏れ
  2. 切迫性尿失禁……尿意を感じた際に膀胱が過剰に収縮してしまい、我慢できずに起こる尿漏れ
  3. 溢流性尿失禁……排尿障害などで常に膀胱が充満した状態となり、溢れて少しずつ漏れることで起こる尿漏れ
  4. 機能性尿失禁……認知症などによる、運動機能や判断力の低下によって起こる尿漏れ

また、腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁が合併して起きるものを、混合性尿失禁ともいいます。

この中でいわゆる「産後の尿漏れ」と言われるのは、1.の腹圧性尿失禁です。
骨盤下部を覆うように付着している、骨盤底筋と呼ばれる筋肉がゆるむことで発生します。

この骨盤底筋は三層構造となっていて、

  • 内骨盤筋膜……一番深部にある支持組織、骨盤腔内の臓器を支え、安定させる役割
  • 骨盤隔膜 ……中間層にある筋肉、子宮、膀胱、直腸などの臓器を支えている
  • 尿生殖隔膜(球海綿体筋、尿道括約筋、坐骨海綿体筋など)……膣口、尿道の開閉をおこなう

の三層で構成されています。
この中で排尿に関わるのは、一番浅層の尿生殖隔膜にある尿道括約筋です。

妊娠中の骨盤底筋には子宮の増大による負荷が掛かることで引き伸ばされ、産後はたるんでいる状態です。
そのような状態ではこの尿道括約筋も強い力をキープすることができず、くしゃみや咳、いきみなどの瞬間的な腹圧の上昇に耐えられずに失禁してしまうのです。

つまり、この尿生殖隔膜にあたる部分をしっかり鍛えることが、産後の尿漏れを改善するための大切なステップとなります。

尿生殖隔膜は、骨盤底筋のいわば前方部に位置しています。
ということは、単に「お尻の穴を締める」というアクションだけでは、尿生殖隔膜に対して効果があるとは言えません。
骨盤底筋全体がしっかり作動している時には「閂(かんぬき)動作」と呼ばれる、筋肉全体が前方(恥骨方向)に引っ張りあげられる動きをします。
この「閂動作」を意識させながらエクササイズを指導していくことが、尿漏れ改善のために大切なポイントとなります。

さて、冒頭に出てきた患者さん。
施術と並行してそのような骨盤底筋へのエクササイズを実施することで、だいぶ改善されてきました。
程度にもよりますが、このように比較的早期に効果が出やすい方もいらっしゃいます。
そして効果が出て来れば、本人のモチベーションも上がってより積極的にエクササイズに取り組むようになり、さらに改善されていく……という好循環が生まれます。そうなればしめたもの。

花粉症の辛い季節、せめて一つでも不安は取り除いていきたいですね。
このまま順調にいけば、おそらく花粉症が落ち着くまでには尿漏れも気にならなくなるのではないでしょうか。

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